4/29「木を伐るを観る」
- 2023.4.29.土曜
- 活動紹介
久住林業の久住さんと歩く森での時間。
森でのお仕事は、いろんな価値観があり、その中で久住さんは、建材用の木を育てたり伐ったりする分野ではなく、森の巡りを考えて、人とつなぐために木を伐るということ、「森との暮らし」を軸にお仕事をされている方です。
木を伐るということは、どんなことなのかをいろんな視点からお伝えいただきました。
王寺、陽楽の森での森散歩で、木の特性や、森の成長段階のお話を聞き、普段私たちが見ている森にもいろんな段階があることを知りました。木の種類により、陽当たりを好む木、好まない木など、いろんな木が存在し、それらが成長し衰退し、そうするとまた別の種類が入れ替わって成長していくそうで、1本の木を伐ると、その周りの陽の当たり方を通し環境がまるで変わるとのこと。
伐った後に、この森は、どのように変わっていくのかを考えながら、自然の流れに逆らわぬように次世代につなぐためにはー、と森の声を真摯に聞き、向き合うお仕事なんだということが伝わってきました。
「この仕事は、1年で結果を出すようなことではないんです」と久住さん。それは、木のお仕事に限らず、目の前のことだけでは判断ができない世界に私たちも生きているはずなのに、ついつい目の前の見える結果を求めたりする気持ちが存在していることを、久住さんのお話から改めて感じました。
そのお話を聞いて学生さんは、「僕は、もっとゆっくり歩んでもいいんだなあという気持ちになりました」と自分の心からの言葉で伝えてくれたことがとても印象的でした。
また、久住さんが目指しておられるのは、暮らしの中で森が特別ではなく、森が共にあること身近にある『森ある暮らし』という生き方。森や木のこと、自然の巡りを普段から感じれる生活は、いろんな視点の広がりがありこれからの豊かな生き方の一つである気がしました。結果は、自分が生きてる間に見れないかもしれない。それでもその仕事が好きで、そのことばかり考えるそんな久住さんの生き方は、自然にとっても、そして自分や周りの人にとっても、とてもやさしい想いでした。
久住さん、ありがとうございました。