ひらく学校

2024年12月にパリで行われた生徒教師サミットに「YMCA学院高等学校」講師/「ひらく学校」代表として町矢が発表に参加してきました。

世界18ヵ国、オンラインを含め554の参加者。日本からは、12校60人が現地参加。
このサミットは、生徒と教師が共に、他国の学校と連携してグループ(クラスター)になり「学校のウェルビーイング」について1年間対話を重ね、その成果を発表する機会でした。
発表に至るまでには、時間の壁や、価値観の壁など、さまざまな壁もありながら、それぞれの国がどのようにお互いを尊重し、共により良いものを創るかという国際共創の醍醐味も感じながら、傍では、自らの学校内で生徒と教師が共に、国際共創のために自己を発揮し周りと協力しながら対話を進めることができるかといった「現場のデザイン力」と「実行力」が求められ、サミットでは、curriculum flexibility & autonomy(カリキュラムの柔軟性と自由裁量)のあり方について国を越えて対話する機会となりました。

YMCA学院高等学校様及び鉃谷明様よりご支援いただき、現地パリでの発表を無事に終了することができましたこと、心より御礼申し上げます。

《YMCA学院高等学校の参加報告》
国際共創国(クラスター4):リスボン商業高校(ポルトガル)、天主教香港教區的中學概覽(香港)、北海道富川高校、YMCA学院高等学校

テーマ:Life Satisfaction 〜人生の満足度〜
2023年より国際共創としては、オンラインでの7回の対話と並行して、アプリ「whatsApp」を用いて、お互いの進捗報告やアイディアなどを共有。お互いの国での生徒が感じる学校教育の違和感の共有、また、その対処法なども共有しました。
その間、学院高校内では、「教育を考える会」として6回のミーティングを開催、計17人による想いを語る場、そしてどのようにしたらより良い学校生活になるかを真剣に話し合う機会となりました。現地では、4校の対話をpodcast(動画)にして発表しました。

<生徒たちがこのプロジェクトに関わることで>
・生徒自ら声を上げる機会となっているため、存在を認めてもらえているように感じることができることで、自己有用感に繋がっていきました。
・安心した場での話し合いを実行することで、自分が発言しやすいだけではなく仲間の意見・価値観も共に受け入れ、自然と多様性を認め合える場になりました。
・国際的な場の空気を体験することで、グローバルな視点が自然と育まれていました。

<学院高校の生徒が世界のみんなに伝えたかったこと>
学院高校の生徒の中には、いじめ、感覚過敏、発達障害、精神疾患などなどさまざまな理由での生きづらさから、過去に学校に通えない経験をしてきている生徒が多く、校内のミーティングでは、自らその経験を語り合いました。そして、みんなにとっての満足度は、何よりもまずは、「精神的な安心」が重要であるというメッセージにたどり着きました。
今回のプロジェクトで通信制の高校の参加は、学院高校だけだったため、世界での発表の際は、そのように自分らしく居ることができること=「精神的な安心」が学びの土台としてどれだけ大切であるかを伝えるために、現地パリでの発表に参加しました。

レポートは、こちら(クラスター4をご覧ください) <クラスター編>

《ひらく学校の参加報告》
ひらく学校は、YMCAと共に地域での学びをしている団体として参加。
今回、サミットの開催にあたり、プレサミットとして開催の前日に、パリの裏千家の皆様の元でのお茶会に出席させて頂き、ひらく学校の活動拠点となる生駒の伝統工芸品「茶筌」「柄杓」「茶杓」を贈呈させて頂きました。このお茶会では、現在も戦時下であるウクライナ、震災被害国トルコの生徒さんをお招きし、同じく能登で震災を経験した輪島高校の皆さんによるお点前によるおもてなしが行われました。
レポートは、こちら <セッション編>

《今後》
発表などの国際共創は、終わりましたが、実際にミーティングに関わったメンバーの声により、今後はYMCA学院高等学校内で、生徒の満足度を高めるための活動を実際に始動していくこととなりました。生徒と教師が共にテーブルを囲み、お互いの感性を発揮し、お互いの存在を認め合える時間を通して、より良い学校づくりを目指していきたいと思っております。